こぼれ話

2013年3月5日放送の「開運なんでも鑑定団」に 1950 〜’70年代の邦画ポスター45点が登場した。
その結果は 303万円と鑑定
ご覧になられた方も多くいらっしゃると思いますが、此処に再度書き記しておきましょう。


放送中で特にクローズアップされ紹介された映画のポスターは、やはり小津の「東京物語」でした。


去年イギリス映画協会が世界の映画監督358名に行った「最も偉大な映画ベスト50」のアンケートを実施

その結果この「東京物語」が堂々の一位を記録しました。




他には黒沢の名作「七人の侍」・・



裕次郎作品 全17点・・



昔懐かしの特撮映画 全7点など・・

そして鑑定が行われた。
その個別結果は以下の内容となります。


【 鑑定士コメント 】
45点中で特に注目したいのは「東京物語」で 50万円です。
映画ポスターコレクターが絶対に揃えておきたい三点がこの「東京物語」と、あと黒沢の「七人の侍」溝口の「雨月物語」です。
因みに「七人の侍」本社版で 20万円、「雨月物語」本社版で 30万円となります。
今回の此方にある2枚の「七人の侍」は ’60年代のリバイバル物なので合わせても 6万円ぐらいです。




石原裕次郎のポスター 全17枚でだいたい 65万円という事になりますが、特にこの中で高いのが「嵐を呼ぶ男」で 10万円です。



怪獣物のポスター 全7枚だけで 160万円になります。
この中では「空の大怪獣ラドン」が非常に貴重な物で、このサイズ(2シート)の物は殆んど残っていません。


ちょっと状態が悪いのですが、それでも 70万円としました。



「怪獣王ゴジラ」は状態からみまして 40万円とつけました。

因みに右の方の復刻版は 5千円です。


・・・ という事でした。
今回の依頼品については大変興味津々で鑑定結果を待ちましたが、どうやら市場での売買価格とはかなり掛け離れた鑑定額だった様に思われます。
実際にこれらが市場に売りに出された場合に、今回の鑑定額レベルで購入できるか否かは、そのポスターによっては不可能だと思います。
しかし近年は市場価格が高騰しすぎる傾向があるのも事実で、その価値以上に高額になるのは如何なものか?・・ と何時も疑問を呈しております。
【 鑑定士 】 因みに「七人の侍」本社版で 20万円、「雨月物語」本社版で 30万円となります・・
とありますが、この「七人の侍」はオークション市場で過去に何度となく登場しているポスターです。
落札価格は高額の時で52万1千円
(後に異例の、90万1千円 → 98万円) を記録、そして低い落札価格の時でも 32万8千円で落札されています。
故に鑑定士の 20万円は少々安い様に思われます。
もう一方の「雨月物語」も過去に数回登場しておりますが、今回紹介されました本社版ポスターの絵柄の物は
高くて 15万9千円、安い時で 12万4千円で落札されてました。
故に「雨月物語」の 30万円は逆に高すぎると私は考えます。
因みに「空の大怪獣ラドン」2シートの 70万円はいくら状態が悪いと言っても、今回の鑑定額での入手は困難だと判断します。
おそらく最低でも 100万円は下らないでしょう。


平成25年03月09日掲載
平成26年12月28日更新
平成29年10月15日更新





【 当方所有 映画ポスター売却事例 】
「東京物語」(リネンバック修復処理)

平成25年9月21日 売却価格 ¥285,000

「空の大怪獣ラドン」(2シート)


平成26年12月12日 売却価格 ¥1,500,000